毒親の介護ってしなくちゃいけないのかな?
「毒親の介護してなくてはいけないの?😥」
たとえ絶縁状態、距離を置いていたとしても、介護の問題は不安になりますよね。
自分の家庭のことで精一杯だし、毒親の介護はどうしても拒否できないの?
そこで今回は、
”通称「毒親に介護しなくちゃいけないのか問題について」”
現在介護士歴7年以上で、介護福祉士の資格を保有している私が説明したいと思います。
まず最初にいっておきます。
毒親であっても、”扶養義務があるため介護は拒否できません”。
しかし、あくまでも扶養義務が発生するのは”今の生活に余裕があったら”の話です。
自分の生活だけで精いっぱい、余力がない…
という場合には”扶養義務は発生しない”ため、自分の生活を犠牲してまでも親の面倒は見なくても大丈夫です。
もし扶養義務が発生したとしても、経済的援助はしなければいけませんが、
子ども自身が直接毒親の介護はしなくても大丈夫ですので、安心してください。
それでは、「なぜ毒親の介護をしなくてもいいのか?」
詳しく説明していきたいと思います。
どうも、サトウベアーです!(@KmoWyxoTbqIn70Q)
今回は毒親の介護はしなくていい理由についてお話ししたいと思います。
この記事の結論について
扶養義務について簡単に解説!
まず「親の扶養義務」について簡単に説明しようと思います。
親の扶養義務については民法で決められており、「子が親の面倒をみなければいけない」とされています。
民法877条1項
「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」
引用:WIKIBOOKSより
これがいわゆる「どんな親でも介護しなくちゃいけない!」といった主張の根拠となっているんですが、
「民法で決められているから必ず介護しなければいけない!」かというと、実はそうでもありません。
さっきも言った通り、「自分の生活だけで精いっぱい、余力がない…😭」という場合には扶養義務は発生しません。
「自分の親及び兄弟姉妹に対する扶養義務」は、「扶養義務のある者が、自分(配偶者・子がいる場合はそれらも含みます)の社会的地位、収入等に相応した生活をしたうえで、余力のある範囲で、生活に困窮する親族を扶養する義務」と解されています。
引用:東洋経済オンライン「親を扶養する義務」を正しく知ってますか?」より
そのため、「自分を犠牲にしてまでも親の面倒は見なくても大丈夫!」となるわけです。
安心した…自分を犠牲にしてまで毒親の介護することないんだね。
生活に余裕があっても毒親や兄弟・姉妹に訴えられなければ、介護する必要はなし!
さきほどは「生活に余裕があれば親の介護義務が発生する」と説明しましたが、
生活に余裕がある場合でも、毒親や兄弟・姉妹に訴えられなければ、介護する必要はありません。
介護の問題のついてはあくまでも家族内での問題ですので、家族さえ納得していれば法律的には何も問題にはなりません。
生活に余裕があっても訴えられなければ、扶養義務は発生しないんだね!
もし、家族に訴えられたら?
もし家族に「あなたにも扶養義務があります。介護をしてください!」訴えられたら、家庭裁判所にて家族と扶養義務が有無について争うことになります。
裁判での争点は親との関係性(毒親問題)についても考慮されると思うので、
日頃から、毒親からの虐待を日記やボイスレコーダー・カメラなど客観的な証拠を残しておけば有利になるかもしれません。
もし、同居していてこれから離れる方は普段から証拠を残しておくといいと思います。
※毒親から離れることができた時は、証拠があれば閲覧制限をかけることもできるので証拠を残しておくことはオススメです!
それと知らんぷりだけはやめておきましょう。裁判を欠席する相手側(家族)の言い分が受け入れたということで確実に負けます。
もし扶養義務が発生したらどうなるの?
もし扶養義務が発生したのなら、
具体的な内容としては、2つの援助しなければいけません。
①生活まわりついて面倒をみる扶養義務
→同居して介護をする、入居する老人ホームを選んだりすること。
②経済的な援助、金銭的な援助をする扶養義務
→生活にかかる費用の援助をすること。
2つの扶養義務が発生するのですが、
原則的には②経済的援助だけで大丈夫です。
よく「どんな親でも近くに同居して介護しなければいけない!😠」といった意見を見かけますが、そんなことをする必要はありません。
あくまでも、
①生活まわりついて面倒をみる扶養義務は”扶養する当事者が望んだ時、承諾した場合のみ”です。
扶養義務の内容としては、
(1)面倒見的扶養(同居扶養、要扶養者が生活できるよう生活、療養、介護などに関する事務処理をする身上監護扶養を含みます)、
(2)経済的扶養(金銭扶養)があります。上記(1)(2)の関係については、(2)の経済的扶養が原則です。ただし、扶養義務のある者が、これまでの関係性、経済的観点、他の扶養義務者との関係等を踏まえ、(1)の面倒見的扶養を望む、または承諾した場合には、それを採用することもできる、ということになります。
つまり、「扶養義務がある=同居して身上監護をしないといけない、介護しないといけない」となるわけではない、ということです。
扶養義務といっても直接介護する必要はありません。
引用:東洋経済オンライン「親を扶養する義務」を正しく知ってますか?」より
金銭的な面で援助は必要にはなりますが、
繰り返しにはなりますが、それも余裕があればの話で、余裕がなければ扶養義務は発生しません。
もし発生しても介護保険法により、
国から経済的な援助をもらえるので、それほど不安にならなくても大丈夫です。
いざ介護が発生する可能性がでてきても、その時のために介護保険料を40歳から国に支払ってるわけですから、これは納税者の当然の権利です。
遠慮なく、経済的援助を受けましょう!
もし、親の介護が必要になったら、詳しくは親の住んでいる地域の包括支援センターで色々説明を聞いてくださいね!
毒親とずっと同居だけはやめておこう!
毒親との同居だけは絶対にオススメできません。
なぜなら、もし毒親が一緒に住んでいて介護が必要になってしまった時に、たとえ毒親でも介護せずに放置してしまうと、
「保護者責任遺棄罪」という罪に問われてしまう可能性があるからです。
刑法第218条
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。
引用:wikiより
「保護者責任遺棄罪」とは、簡単にいってしまうと「保護しないといけないとわかっていたけど、それを放置したから罪」というものです。
この保護者責任遺棄罪は介護が必要な高齢者などにも適用され、
実際に同居していた男性が自分の親を介護を放置したとして事件となっています。
82歳の同居女性置き去りで死亡 50歳男性逮捕 産経新聞
引用:マイ法務より
ですから、ずっと毒親と同居していた場合は強制的に扶養義務が発生してしまうので、
毒親の介護をしたくない!
そう考えているのなら、毒親と別居し極力関わらないことをオススメします。
結局は親は面倒は誰がを見ることになるの?
兄弟も誰もみない場合とか、誰も親の面倒をみないなら誰が親の面倒をみてくれるの?
親は面倒は誰が面倒をみるか?というと、
その親の住んでいる「地域の行政」が親の面倒をみます。
詳しく話すと長くなってしまうので、ここでは説明しませんが、
子が親の面倒や世話をしない、またはできない場合でもそういった仕組みが行政の方でできているのでそれほど心配してくも大丈夫です。安心して下さいね!
毒親の介護は経験しないなら、それに越したことはない。
これは現役介護士だからいえることですが、
精神的にも、肉体的にも介護は思った以上に大変です。
それこそ仕事だからこそ、わりきって介護をやれていますが、
もし自分の毒親を介護するとだとなると、今まで心も体も傷つけられてきただけに、それはもう感情的になってしまうと思います。
もうかれこれ7年以上介護に携わっていますが、
仕事とわりきっていても、
いくら慣れていても、
「イラッ!😠💢」って感情的になることがあるぐらいです。
そう考えると、
もし自分の毒親の介護が必要になった時、
普段から介護に慣れていない、ましてや自分を傷つけてきた相手に冷静に介護なんてできるでしょうか?
想像しただけでも強烈なストレスがたまることは容易に想像できますよね。
最終的には感情のコントロールがつかなくなって、虐待につながってしまいかねません。
介護士として長くやっていますが、私自身毒親育ちなので、
もし「自分の親の介護をできる?」と聞かれたら、すぐには答えられません。
どうしても、毒親の介護が必要になってしまった…。
そんな時は、毒親の介護に関してはプロに任せましょう。
子どもが介護の面倒をみなくても、そういった仕組み作りがすでにできているので、私達介護のプロに任せてください。
毒親の介護のことなんか忘れて、どうか幸せな人生を送ってください。
国の方針としては介護士がいないため、在宅介護を推してるみたいですが、在宅介護は絶対に限界がきます。
そのために在宅介護はオススメできないです!プロに頼りましょう!
今回の一言まとめポイント💡
今回の記事で「毒親の介護は自分を犠牲にしてまでも行うものではない」とわかっていただけたと思います。
でももし、扶養義務が発生して、毒親の介護が必要になったら、
私達介護のプロにまかせて下さいね!
どうか自分の人生を優先にして生きて下さい。
ここまでお読みいただきありがとうございました!