介護職と聞いて・・・
あなたはどんなことを
まっさきに想像しましたか?
「きつい」「汚い」「危険」
いわゆる3Kという言葉が浮かびませんでしたか?
「介護士」という仕事に誇りをもっていて、「介護」という仕事が好きな方でしたら・・
3Kかもしれないけれど、ありがとうっていう感謝の言葉があるから続けられる。
給料は少なくても、やりがいのある仕事なんだよ!
介護という仕事を通じて、
与えると同時になにか特別なもの貰えているような感じがするんだよ。
という答えが返ってくるでしょう。
確かに介護が好きならそう感じるかもしれません。
しかし、
私のような特別介護が好きではない人間からしてみれば
「すごくつらい」です。
正直やめた方がいいです。
特に地方の介護士はぜったいにぜっっっったいにやめましょう。
というのが本音です。
業界の人からいわせてもらえば、
悪いイメージばかりが広まってしまい、
介護職へ就くことを足踏みする人が増え、人材不足になって余計にきつくなる。
と思っているので、
明るいイメージを持ってもらってこの業界にたくさんの人に来てもらいたい。というのが本音だと思います。
実際にポジティブな側面での
「5K、7K」なんていう言葉が宣伝されており、ポジティブな印象を持ってもらう試みを行っています。
しかし、実情は違います。
実情は利用者に
- 噛みつかれる。
- 爪で引っ掻かれる。
- 殴られる。
- 暴言吐かれる。
- 排泄物を触って、モノ・他人につけようする。
- そこらへんにおしっこをする。
などなど・・。
例をあげるとキリがないくらい
なかなかにキツい仕事ではあります。
他にも
- 重労働なのに給料もやすい。
(私の場合1年目は手取りで夜勤込みで14万円くらいでした。) - 人間関係がめんどうな時がある。
(職員の間で派閥争いがある。陰口が多い。)など。
誰がこんな職業をオススメしたいと思いますか?
正直親だったら、全力で止めます。
「介護士だけはやめとけ」・・と。
ただ私も介護がつらいことだけではなく、時には楽しい時だってあります。
現に今だって介護士として働いています。
確かにありがとうといわれて嬉しい時だってあります。
悪いことばかりではないことを知っています。
しかし、私はそういった介護の都合の良い面だけでなく、悪い面での真実を伝えたいのです。
明らかな嘘のイメージを伝え、
真実を伝えないでこの業界に誘うのは、
これから、今でも介護業界を目指している方々なによりも不誠実だと思いますし、あまりにも無責任な行為です。
そんな無責任なことをしているせいなのか、関連はわかっていませんが
現在、施設での虐待の件数は過去最多を記録しています。
自分が思い描いていた介護士のイメージと違ったことを理由に
介護士がストレスを溜め込んでしまい、利用者に対して虐待をしてしまう
ということは珍しくありません。
実際に虐待の要因として
「ストレスや感情コントロールの問題」
が大きな割合を占めています。
これでは
「介護士と利用者」双方とも、どちらも不幸になってしまうと思うのです。
介護士はストレスを溜めて悶々とした生活を送ることになり、
利用者は虐待に怯えて施設を利用しなければいけない。
こんなことでは誰も幸せなんかになれません。
あえて騙すようなことをしなくても
むしろ、真実を知ってもらうことで、
実際の介護とはどういうものなのか?
表からではわからない
現場の本音を知ることで介護への理解が深めてもらい、
その上で介護士を目指してほしいのです。
そうすれば、
現場に理解ある介護士が増え、
介護の虐待をゼロにできないまでも、減らすことができるのではないかと
私はそう考えます。
安易に介護を目指しているならやめましょう
厳しいことをいうようですが、安易に介護士を目指しているならやめた方いいです。
まずは「本当で介護でいいのか?」
この問いをあなたにして欲しいのです。
- あなたには他にやりたいことはないですか?
- 介護なら誰でもできる、就職できると思っていませんか?
- 就活がめんどくさいと思って選んでいませんか?
- 他にできそう仕事がないからといって選んでませんか?
- すぐに介護なら就職できるからと安易に選んでいませんか?
少しでもそういう思いがあるのなら、それならすぐにでもやめましょう。
もちろん、きっかけがあって介護士を目指しているなどちゃんと介護業界を志す理由があるなら止めません。
むしろ夢を叶えて、介護士として活躍して欲しいです。
しかし、
😅「就活がめんどくさいから」
😙「すぐに転職できるから」
などの安易な理由で選んでほしくありません。
あなたが「あの時・・あんな理由で介護をやらなければよかった・・・」
と後悔して欲しくないのです。
介護は想像以上にキツい
たぶん介護は想像している以上にキツい仕事だと思います。
今から話すのは
自分が体験して感じたキツい点です。
- 給料が安い。人によっては夜勤をやらないと、手取り20万もいかない。
(特に地方は経験年数5年以上でも手取り16万ぐらいしかもらえない。) - 過酷な肉体労働、時間外労働(いわゆるサービス残業)は当たり前。
- 認知症の利用者の意味不明な行動・言動は精神的に苦痛を感じることもある。
- 暴力行為のある利用者の暴力。
(利用者の暴力で左目を失明した知り合いがいるが、施設側は何も対応せず。あくまでも個人での責任扱い。) - 疥癬(かいせん)、ウイルス性肝炎など危険な感染症を持っている利用者が多くおり、感染する可能性がある。
- 陰部いじったり、不潔行為のある利用者に便をつけられたり、部屋や布団を便まみれにされる。
- 普段面会から来ない家族から些細なことで事態を大袈裟にしたり、裁判沙汰にする家族。
(金を払ってるんだから、お客様は神様でしょ?という態度の利用者&家族。) - 現場を知らない施設長・相談員・ケアマネの理想追求型介護を押しつけられる。
- 他職種(看護師、作業療法士、理学療法士など)との対立。
- 職員間のトラブル、派閥争い。
- 異常なほどの離職率の高さによる万年人手不足で多忙。
- なかなか新人が入ってこない。はいってきてもすぐにやめてしまう。
想像していたよりキツいかったではなかったでしょうか?
職場によっては「そんなことない!」と思う人もいるとは思いますが、
私のいた職場は、こういったことがあたり前の職場でした。
私は3回ほど介護士として転職していますが、どの施設も上記のことに当てはまってていました。
実際に他の施設で働いている友人にも話を聞いていると同じような話をよく聞くので、
大体の施設はこのようなことがあると覚悟しておいた方が良いでしょう。
私が実際に体験して一番キツかったこと
私が実際に体験して一番キツかったことを話そうと思います。
ある利用者の排泄介助をしていた時のお話です。
その方は普段は穏やかですが、
急に暴言を吐いたかと思うと暴力行為をしたり、
便がでていると自分から便を触ってモノや人に便を投げたり、便を触った手で触ろうとする利用者でした。
私が夜勤勤務でベット上にて、この方の排泄を交換している時のことでした。
便が出ていたので「拭きますね」声掛けし、拭き取ろうとすると
さっきまで穏やかだった利用者が急に変貌し、私のお腹に膝蹴りをしてきたのです。
ベットから落ちないよう体を密着し、便を拭こうとおしり方に集中していたため気がつかず避けること出来ませんでした。
一瞬呼吸ができないほど痛みで
「いっっっっ痛っ!?」
と痛くて声が出せないほどでした。
そこからその利用者は暴れだし、便は触るし、投げつけるわで
私を含めて部屋中便まみれになりました。
一瞬なにがなんだか、わからなくなりました。
その時は感じたのは蹴られた怒りでもなく、痛みでもなく、悲しみでもなく
諦めに近いなにかを感じました。
普段からあんなに精一杯優しく接しているのに、理由もわからないまま、思いっきり蹴られたり、殴られたりと思ったら、便まみれにされる。
「もう、どうだっていいや」という気持ちになり、
「これは仕事で、この人は認知症という病気で、手が出ることは仕方がないことなのだ。」
と繰り返し、呪文のように頭の中で唱えながら片付けを行いました。
そこにはもう優しい気持ちになんてこもっていません。
これは「仕事=作業」なんだと自分にいい聞かせながら仕事を続けるようになりました。
よく考えてみて欲しいのです。
いくら仕事だからって、認知症という病気で理性がなくなった人間に暴力をされたら、どれだけ痛いかを。
年寄りといっても、一人の人間です。
私は男性ですが、
私より体格も大きく、パワーもある利用者なんてたくさんいます。
なにより普段から優しく、丁寧に対応しているのに、
「殴られる・蹴られる」という暴力は、精神的にもショックです。
介護士として
「何かしてあげたい」
「より良い生活を送らせてあげたい」
…などという気持ちも薄れてゆきます。
さっさと作業を終わらせて次の作業にうつらなきゃいけないぐらいにしか思わなくなるのです。
毎日のように暴力・暴言をいわれ続けると、だんだん麻痺してきます。
「ああ。またか、面倒くさい」
「忙しいのに。また、はじまった。」
そんなことをずっと考えながら対処するのです。
自分でもだんだんと心が壊れていくのがわかります。
そして、
「自分はなんて人間だ…」と自己嫌悪するのです。
他人に暴力ふるって、
馬鹿野郎、死んじまえ、ぶっ殺すぞ、などと暴言を吐き、
毎日毎日同じような繰り返しで、食事をして、トイレへ行って寝る。
そんな利用者がたくさんいるのです。
介護士、いや人間として考えてはいけないことも、ぼんやりと考えてしまいます。
勘違いしている人がいるかもしれませんが、
介護士は聖人ではありません。
人間です。
介護士である前に、私たちだって人間なんです。
何をされても怒らない仏のような人が介護士をやっていると勘違いしないでほしいのです。
介護士はキツい。だが良い面もある
私が実際に介護士として5年以上働いていて、
「介護士をしていてよかった!」
と心底感じた点を3つほど紹介しようと思います。
①安定している!
コロナ禍ということで余計にそういったことを感じました。
ニュースではよく、
リストラされた…
リストラまではいかなくても、
給料がさがってしまった…
という話を聞きましたが、そういったこととは無縁の世界でした。
ただし、コロナということで施設にコロナウイルスを持ち込まないようコロナ対策を行い、仕事へはもちろん、ちょっと出掛ける時も細心の注意を払っていました。
しかし、それ以外は変わりなく、
大変だけど、
この職業でいたら一生食べていける!
という確信をもつぐらい、
コロナ前と変わりない給料、ボーナスをもらっていました。
むしろ、コロナでの給付金もあり、給料の総額としては上がったぐらいでした。
給料は安いですが、
不景気に強く、給料面では非常に安定しているのが大きな強みだと思います。
②転職しても、再就職しやすい!or 就職先が多い!
私もさきほど話した通り、3回ほどすでに転職していますが、
どの転職も「行きたい!」と思ったところに就職できています。
それぐらい介護士はニーズ(必要とされている)があるのです。
そしてなにより、何十社という面接を受けなくても済むという点も魅力的です。
他の職種の場合だと・・・
再就職をするとなると、何度も面接受けないとだし、
疲れるから嫌だ。めんどくさい…
転職先がない…
と感じる方も多いではないでしょうか?
介護士で転職をする場合、そういったことがまずありません。
面接を受けたら、あたり前に受かる。
それぐらい簡単に転職ができます。
・事情があって働けない。
・働き方を変えたい!
・ここは合わない!
と感じたら、
すぐにでも辞め、
新しい施設で働けるのも魅力的な点です。
ただし、
あまりにも簡単にやめすぎると、面接時にやめ癖がついていると思われかねないので、すぐに辞めてしまうのも気をつけましょう。
個人的には最低でも2年は働いてそこでスキルアップしてから転職すると、悪い印象なく、次の職場へ転職できています。
③利用者から直接お礼をいわれる!
直接、利用者から「ありがとう」とお礼いわれる。
そんなのどこが嬉しいの?
と思われるでしょうが、
介護が特別好きではない私でも、それが結構嬉しくなってしまうものなんです。
サラリーマンでしたら、
一体、なんのために働いているんだろ?
これは果たして、誰かの役に立っているだろうか?
と感じることもあるみたいですが、
介護士の場合は、
お客さんに直接お礼をいわれるのでとても達成感があり、非常に満足感が得られるのです。
介護士として働いている友人、知人から話を聞いても
それがこの仕事のやりがいだよね!
と会うたびに話しています。
介護士からサラリーマンへ転職する人もいるみたいですが、
サラリーマンが嫌になって、介護士へと戻ってくる人も多いという印象があります。
それでもあなたは介護士を目指しますか?
以上が私が実際に体験し、感じたことです。
「本当にそんなことがあるの?」って内容だったと思いますが、これは実体験です。
大袈裟に話してませんし、控えめに話してもいません。
これが現在働いているの介護士の実情です。
他の仕事同様に、良い面もあるし、悪い面もあります。
あくまでも私の個人的感想も入っていますが
それでもあなたは介護士になりたいと思いますか?
それでもやりたい思ったなら
あなたは本当の意味で「介護士」として向いていると思います。
ぜひ理想の介護士を目指して夢を叶えて欲しいです。
あなたと働けることを楽しみにお待ちしています。